September 12, 2010

姫子とアイデンティティー

tulip
(photo: kanin-mum)
今日はチューリップを植えました。
ちょうど寒くなってきた今頃が植える時期のようで、スーパーでは色んな球根が売っています。
姫子もチビ太も手伝う気、満々!張り切ってお手伝いをしてくれましたよ♪



昨日、早稲田大学大学院の川上郁雄教授のセミナー(懇談会)に出席することができました!
彼は、複数言語環境の中で育つ子供達についての研究をされている方です。
気さくな方で、分かりやすく、それに参加者の話をうまく導く素晴らしい先生でした!

今回の話し合いで、興味深かったのは子供のアイデンティティーについてです。
10代の子が自分はスウェーデン人なのか、日本人なのか、悩んでいるというケースで、先生は、著名人にインタビューしたことなどの例を挙げながら、「これが自分だ!」というのを見つけられた時に、そのモヤモヤから突破でき、自分のことを確信することが出来るとおっしゃっていました。
これは、日本人の両親を持ってても同じこと。思春期は自分とは何かを模索する時期。
ただ、複数言語環境の中で育つ子供は、単一言語環境で育つ子供より少し複雑だけど根本的なところは一緒なんです。

これを聞いて、安堵した保護者は多かったと思います。


他で考えてしまったトピックは、夫の協力です。
うちはしっかり話し合って、スウェーデン語、日本語の両方を母国語に、英語をアカデミック(学問に使用する言語)にと決めています。特に日本語教育には、接する機会が少ないだけに、力を入れる(一時帰国、図書など)。私は頻繁に日本から児童書を買いますが、これは一種の投資だと思っています。

だから、うちはこの問題で揺れることはないのですが、スウェーデンに住んでいるということ、子供が現地校に行っているということ、補習校が土曜日にあって、負担に思う夫と子供(日本語が苦手)。。更には、夫が日本語がよく分からないので、妻と子供が日本語で話すのを聞くと疲れると意見するなど。

夫の理解と協力がないと、日本人妻は家庭内でも孤立してしまうんです。とても辛いだろうなと思います。

でもこのような問題を抱えた家庭は少なくないんです。親切なスウェーデン語学学校の先生などは、おせっかいにも家庭内でスウェーデン語を話すように薦めたりします。理由はよく分かるのだけど。。
それでは家庭内のスウェーデン語の比率が多すぎるから、夫婦の言葉は日本語にしたら?なんていう人には今まで会ったことがありません。

ちなみに家では、私は子供達に日本語。パパちゃんはスウェーデン語。夫婦間の言葉は英語です。英語の理由は、英語を子供のアカデミック言語と決めてるので、子どもの頃から英語を聞かせたかったというのが1つ。それに子供にママはスウェーデン語が分かるから。。とスウェーデン語で話しかけられるのを防ぐ為というのも当時考えました。
パパちゃんと出会ったときはお互い英語だったしね。。やっぱりうちでは英語が自然です。



この懇談会の後、姫子に単刀直入にナショナリティーについて聞いてみました(爆)。
すると即座に彼女は、「私は日本人だよ!」との返事。。

でも、姫子ってスウェーデン人でもあるよね?と聞くと、
「違うよ!」
????

よくよく聞いてみると、学校では日本人扱いをされているようで。
先生にも、今度折り紙を教えて!とか。

変だなぁとも思ったのですが、しばらく考えてみて納得。
学校では、子供達は、両親がスウェーデン人、又は片方がスウェーデン人、又は両方が移民のどれか。
スウェーデン人は普通なので、そこはクローズアップされずに、他に何の文化を持っているかというのが極端に前に出てしまうのでしょう。それがその子をユニーク(個性的)にすることになるから。


姫子にまた聞きました。
日本に体験入学する時の小学校では??
「そうしたら、私はスウェーデン人だよ!」

う~ん。面白い。。でも彼女は今はこうやって納得してるのね。

2 comments:

Unknown said...

とっても興味深く拝読しました。うちももうすぐやってくる我が子には、kanin-mumさん家と同じアプローチを取ることで合意しているのですが、ある日スウェーデンの親類から、「なんで日本語教えるの?貴方がスウェーデン語もっと勉強したら?」と言われた時は、がっくりしました。

子どもの日本語習得は私の努力に大きくかかってくるので、kanin-mumさんのアプローチはとても参考になります。そしてゆくゆくは補習校でもお世話になるかも?!
これからもよろしくお願いします。

kanin-mum said...

これはもう、手探りでするしかないですよね。それぞれの家庭に合ったものでないと、お互いが大変だし。それに、周りをもうやって引き込むかというのも重要です。

残念だけど、親戚の方の反応は珍しくはないと思います。でも、もしそれが全く逆の立場だったら?日本に住んでいたとして、その親戚さんは本当に、ご主人に家でも日本語を話したほうがいいんじゃないの?って言うでしょうか?そこまで考えないで言う人は多いんですよ。

うちでは私が出るより、パパちゃんに説明してもらったほうがいいと思ったので、すぐその場で説明してもらうようにしました。始めはなぜ、パパちゃんと私の共通の言葉がスウェーデン語でないのかと理解できなかったようです。

補習校は、それはもう色んな人達がいるので面白いですよ!お世話になりっぱなしです。

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